米国での未承認GM米流通問題に関する緊急声明

2006年8月31日

米国での未承認遺伝子組み換え米流通問題に関する緊急声明

米国農務省(USDA)と食品医薬品局(FDA)は、2006年8月18日、ドイツのバイエル・クロップサイエンス社から、未承認の遺伝子組み換え(GM)イネ「LLライス601」が、一般のコメに混じって流通したという通知を受けた、と発表しました。

この「LLライス601」は、除草剤(バスタ)に耐性を持つイネで、インディカ米でおなじみの長粒種で開発されました。以前、米国で作り、日本への輸出が検討された「LLライス06」「LLライス62」は中粒種で、ジャポニカ米の短粒種とインディカ米の長粒種の中間の長さのコメで、主に飼料や加工食品目的で作られているものでした。

同社は1999年、前身のアベンティス社の時代に、インド第2位の種子企業であるプロアグロ社を買収しており、着々とインディカ米売り込みの準備を図ってきました。

この「LLライス06」「LLライス62」は、FDAに申請し承認を受けていましたが、「LLライス601」は未承認でした。そのため今回の混入事件は、シンジェンタ社が一昨年引き起こしたBT10事件以来の未承認GM作物混入事件となりました。現在、長粒種は直接日本に入ってきてはいないものの、加工食品としては用いられており、そのコメには混入している可能性が十分考えられ、しかも事実上チェックは不可能です。

農水省は8月19日、米国産の長粒種米に関しては加工品を含めて輸入しないようにという指導と、すでに入っているものに関しても検査が実施可能となるまで加工・販売を行わないようにという指導を行いました。現在、農水省・厚労省は、DNA情報等を求め、分析方法確立を急いでいます。しかし加工されて入ってくるものに関しては、事実上、チェックは不可能です。

「LLライス601」は、1998年から2001年にかけて野外実験が行われたものの、その後は栽培されておらず、すでに5年が経過しています。今回の混入がその実験に起因するのであれば、GM作物がコントロール不能であることを示したものといえます。もし種子の管理がずさんで起きたとすると、BT10事件の教訓を生かさなかったことになります。

バイエル・クロップサイエンス社は2000年、アベンティス社の時代にスターリンク事件を引き起こしており、今回は2度目の未承認GM作物流通事件を引き起こしたことになります。混入の原因は発表されていませんが、スターリンク事件の教訓をまったく生かしてこなかったことになります。無責任な企業体質だといっても過言ではないでしょう。

問題は、このような未承認作物混入事件が毎年のように繰り返されている点にあります。GM作物の開発が進めば進ほど事件は頻発する可能性があります。生態系に取り返しのつかない事態が起きないとも限らず、食品のリスクを高める可能性もあります。

日本政府に対して、GM作物開発を一旦凍結して、現在の国内開発・輸入の際の、実験段階も含めたチェック体制の抜本的見直しを行うよう求めます。

8月31日、農林水産省に対して要請文を、アメリカ大使館およびバイエルクロップサイエンス社に対して、抗議と要請文を送りました。

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