ゲノム編集「高GABAトマト」の種苗の無償配布の即時中止を求める緊急声明
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンなど5団体は、サナテックシード社にゲノム編集「高GABAトマト」の種苗の無償配布の即時中止を求める緊急声明を発表しました。
【緊急声明】
ゲノム編集「高GABAトマト」の種苗の無償配布の即時中止を求めます
サナテックシード社はこのたび、筑波大学と共同でゲノム編集技術を用いて開発した高GABAトマト「シシリアンルージュ・ハイギャバ」の種苗を家庭菜園用として無償配布すると発表しました。
ゲノム編集技術は、オフターゲットなど遺伝子に何が起きるか分からないという問題に加えて、抗生物質耐性遺伝子が使われているなど従来の遺伝子組み換え技術と同じ問題をもっており、安全性に懸念があります。そのような作物を、厚生労働省は安全性の審査も実施することなく、届出だけで流通を容認しています。厚労省のサイトに掲載された資料を読んでも、安全性の根拠がまったく不十分です。環境影響評価や飼料としての安全審査もありません。
サナテックシード社は、このように安全性が確認されたとは言えないゲノム編集トマトの種苗を市場流通前に希望する消費者に無償配布すると言っています。配布にあたっては、高GABAの利点のみが強調され、リスクが存在することなど触れていないため、消費者は知らずに申し込んでしまいます。消費者への先行配布は人体実験の何ものでもありません。
さらに、ゲノム編集トマトが栽培されることにより、自家採種や挿し木などで拡大する可能性があるほか、在来種のトマトに対して花粉が運ばれて遺伝子汚染が起こる可能性があります。一旦遺伝子汚染が起これば、これを除去することは難しく、在来種のトマト栽培農家にとっては脅威となります。
このように問題のあるゲノム編集高GABAトマトの種苗の無償配布を許すことはできません。サナテックシード社にはゲノム編集高GABAトマトの種苗の無償配布の即時中止を求めます。
2020年12月16日
特定非営利活動法人 日本消費者連盟
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
食の安全・監視市民委員会
特定非営利活動法人 日本有機農業研究会
特定非営利活動法人 有機農業推進協会