質問状「日本における遺伝子組み換えナタネ自生について質問いたします」
2011年7月20日
バイエルクロップサイエンス株式会社
代表取締役社長 ギャビン・マーチャント様
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠啓祐
日本における遺伝子組み換えナタネ自生について質問いたします
私たち「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は、全国の生産者、消費者、流通業者とともに遺伝子組み換え食品の諸問題に取り組んでいる団体です。
その取り組みの一つとして、遺伝子組み換えナタネの自生調査活動を行っております。
日本では遺伝子組み換え作物の商業栽培は行われていませんが、2004年、農林水産省は、遺伝子組み換えナタネが茨城県鹿島港周辺で自生していることを確認し、公表しました。私たちは遺伝子組み換え作物が日本の環境に拡がっていることを危惧し、汚染の実態を確認するため市民による全国調査を開始いたしまし た。
調査は主として遺伝子組み換えナタネ輸入港と油会社への輸送路を中心に、セイヨウナタネを見つけ、検査キットで行っています。検査キットは米国農務省や日本の農林水産省が輸出入時の検査に使用しているものです。モンサント社のラウンドアップ耐性と貴社のバスタ耐性が検査できます。
2005年からの調査結果を添付しましたのでご覧ください。この間の調査から以下のような問題点がみえてきました。
1、2008年までは、モンサント社のラウンドアップ耐性ナタネが多かったのですが、2009年からはバスタ耐性のナタネの方が多く見つかっています。今年2011年に至っては、モンサント社の14検体に対して、貴社のバスタ耐性は44検体となっております。なお、ラウンドアップとバスタの両方に耐性をもつ、いわゆる両耐性ナタネも見つかっています。
2、遺伝子組み換えナタネの自生は年々拡大し、多年草化しているものもあり、カラシナ、ブロッコリー、ハタザオガラシとの交雑種も見つかっています。そのため最近は調査だけでなく、野草や農作物への汚染を恐れて、セイヨウナタネを見つけ次第抜き取りを行っている市民団体もあります。
3、汚染の拡大を受けて、三重県では特産の「菜ばな」への汚染を懸念して、これまで行われた種子の自家採取を認めず、他県で種子栽培を行うことになりました。
なお、ナタネは現在、カナダと米国、オーストラリアから輸入されていますが、遺伝子組み換えナタネはほとんどカナダから入ってきています。
そこで、質問いたします。
1、カナダにおける貴社の遺伝子組み換えナタネの生産シェアはどの程度でしょうか。
2、カナダでは貴社の遺伝子組み換えナタネ生産が増えているのでしょうか。
3、貴社の遺伝子組み換えナタネが日本の自然に自生していることについてどうお考えですか。
4、農作物や雑草との交雑種も増えていますが、それについてどうお考えですか。
以上
お忙しいことと思いますが、7月31日までに、書面にてご回答くださるようお願いいたします。